挿絵と絵単体でおもしろい絵は別──字書きのおえかき事始め その6

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挿絵と絵単体でおもしろい絵は別──字書きのおえかき事始め その6

 アニメがオリジナルの二次創作絵の場合、やはりアニメっぽいイラストが圧倒的に人気なのだと思う。

 小説ばかり書いていた字書きが、20年以上ぶりに絵の練習を再開して一年。
 「絵が描ければ、それだけで評価されるわけではない」という、ごく当たり前の事実を、ようやく実感し始めた。

 これは、その一年の途中経過の記録です。

 

変わった角度の顔を描くのが好きになった末路

 イラストの練習を再開してから、気づけば顔ばかり描いています。
 理由は単純で、「描けなかった角度が描けるようになる」という体験が、想像以上に楽しかったからです。

 練習再開から半年ほど経った頃、「うつむき顔」にとても惹かれる構図を見つけました。
 しかし、いざ描いてみるとまったくわからない。
 どう描けばいいのか見当もつかず、結果はかなり破綻した顔になりました。

 ところが、その一か月後。
 ふと思い出して、同じ角度に再挑戦してみたところ、

 ──まあまあ描ける。

 という、はっきりした手応えがありました。

 まだ上手いとは言えないけれど、少なくとも「人間の顔」には見える。
 この体験が、「角度のついた顔を描くのが楽しい」という癖につながっていきます。

 

画面構成への憧れと、練習中ゆえの歪さ

 パースの効いた、角度の強い画面が好きなのは、漫画的・映画的な構図への憧れがあるからだと思います。
 プロがやれば格好いい。
 けれど、練習中の私がやると、ただ癖が強く、わかりにくい絵になりやすい。

 特に、破綻しやすい角度に挑戦することが多いため、
 ぱっと見て「何の絵かわかる」「かわいい」とは言いづらい絵になります。

 これは、特に日本のSNSで絵を出そうとすると致命的に「スルーされやすい」要素なのだな、と実感して来ました。

 

 

どうしても小説が主になってしまう

 顔の角度の練習は楽しいものの、絵としての面白さを考えるなら、本来は全身の構図も重要です。
 手を描こう、体を描こうとは思っているのですが、私はあくまで字書きでもあります。

 優先順位はどうしても小説が先。
 絵に割ける時間は限られていて、結果として「短時間で仕上げられる顔絵」が増えていきました。

 SNSで推し活をしていると、キャラ誕や記念日タグが次々と回ってきます。
 そういう時に「何か描きたい」と思うと、つい顔絵を選んでしまう。

 その積み重ねで、顔絵が増殖していきました。

 

SNS評価ではだいぶ不利な絵柄

 そんなわけで、顔絵を描くのは楽しいのですが、
 SNS的な評価軸では、私の絵はかなり不利だと感じています。

・かわいくない
・何の絵かわかりにくい
・一目で完結しない

 「いいね」を押す前に、一瞬立ち止まらせてしまう絵、とも言えるかもしれません。

 とはいえ、これも場所に対する需要の問題で、この手の珍しいタイプの絵に関心を持っていただける場合は、ちゃんと見てもらえます。僭越ですが玄人ウケの傾向はあるかもしれません。
 

要は、私は挿絵を描いているのだと気づいた

 ラフ調の絵ばかり描くようになって、はっきり実感したことがあります。

 これは「絵だけで完結する絵」ではない。
 何かの一場面を想定した絵で、小説の挿絵に近い。

 アニメ原作の二次創作では、やはりアニメ絵が圧倒的に人気です。
 どこの誰かわからない一ファンの絵柄を好んでくれる人は、とても貴重な存在になります。

 その意味で、私は「字書きが、物語の補助線として絵を描いている」状態に近づいているのだと思います。

 

公開日と閲覧数が示すもの

 結果として、イラストよりも小説の方が多く読まれています。
 絵の力量の問題もありますが、それ以上に、関心の向かう先がはっきり分かれた印象です。

 ありがたいことに、小説を読んでくださる方は確実にいる。
 一方で、絵はあくまで添え物として機能している。

 こんなケースも、あるのだなと。

 字書きが絵を描いて一年目の、ひとつの記録として残しておきます。

 


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