字書きのおえかき事始め その2

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LCシオンくん模写

字書きのおえかき事始め その2

遅すぎた春──目がとても痛い

 私はiPad miniとApple pencilこそ持っていたものの、絵を描けるアプリは、Mac共有の「メモ」しか持っておらず。
 これはレイヤー機能がないので、絵のアタリも下書きも清書も全部同じページでやる、という紙と変わらん難易度の「お絵描きアプリ」でした。
 いやiPadの画面がツルツルしている分だけ、紙より難易度高いかもしれん。

私、下手くその初心者なのに、なんでこんな難易度の高いアプリで絵を描こうとしているの…?

 ふと我に返り、Pixivで見掛けたことのあるお絵描きソフト「CLIP STUDIO PAINT」のWEBサイトに行きました。
 しかしデジタル絵に初めて出会った素人には、なんかもう難しそう過ぎて意味わからん。


 とはいえ、このソフトのいいところは、「シンプルモード」という簡易版がある点。

 機能が少なくて、Windowsの「ペイント」アプリみたいだった。したい操作も直感的にわかる。これならとにかく描き始められる。

 ということで早速クリスタをダウンロードし、3か月無料のサービスコースで契約。シンプルモードで絵を描き始めたのです。

 そしてふと気づく。

 目が、痛い……。

 「『聖闘士星矢』の二次創作をしている。しかも再燃組」という時点で、私がそれなりにいい年──中年世代なのはお察しかと思います。
 そう、私はここ数年、紙の本の読書に難を感じる程度に飛蚊症やら乱視に悩まされ始めていた。
 そしてお絵描きソフトの明るい光は、飛空石を見たボム爺のごとく、私の目をさいなむのであった。

 実際、若い頃に比べたら体力も気力も持ちにくい。
 でもそれよりも、目がギブアップするのがはるかに速い。

 なにこれ。

 せっかく再開したのに目が最初に限界?
 まさかこんな展開、予測してなかった……。

   

CLIP STUDIO PAINT 詳細(参考)


 「イラスト マンガ制作アプリ」。私が選んだのはiPad用の「3か月無料」コース
 ただ、放置すると3か月後は月額コースに移行になるはず。

 割でいうと、やっぱり年払コースの方が割安。
 継続するつもりなら、CLIP STUDIO PAINT PROの一括購入が、コスト的にはいいかも。

 ちなみに「PRO」は印刷物や短いマンガなどに向いていて、もう少し高めコースのCLIP STUDIO PAINT EXは、長いマンガを描きたい人向きの模様。

 私自身は「PRO」を選び、「3か月無料コース」から数か月「月払」生活を送り、もったいなく感じて「年払」に移行しました。一括購入にしておけば…と思いますが、継続確率が不明の場合は、初期費用高めでも、月額から行った方が無難かもですね。

クリスタ公式
安心と信頼のお絵かきソフトはこれ【CLIP STUDIO PAINT】
  

  

なんで水色のアタリ線があるの?

 ともかく、「デジタルでイラストを描いてみたい」というわくわく感に引っ張られて、クリスタのシンプルモードでイラストを描いてみました。

 冒頭のLCシオンのイラストがそれです。この線ガタガタの、雑な何か。これが私の最初のLC模写でした。

またおまえ(この絵)か

 ちょっと不思議なのは、この絵に「やけにくっきりした水色のアタリ線」があること。

 SNSで見掛けるイラストベテランの方々の絵に、ときどき水色の下書きっぽい線が残ってることがあった。
 それは水色で下書きして、清書の線画は黒や茶などのはっきりした色で書いているからだろう。私はそう分析した。

 なるほど、水色で下書きというのはなかなかいいな。印刷にも写らないしな(←あまり関係ないけど)。

 そうして水色の線で下書きをして、その上に清書の線画レイヤーを重ねて、私はシオンを練習した。

 下書きの仕方はそうやない、「下書きレイヤー」を設定して線画を青くするんや。描きづらいだろ、水色の線で下書き。

 そのことに私が気づくのは、数週間後だった。

  

それでもなんとなく練習は続いた

 目が痛いので練習時間の限界が早い。
 クリスタは多機能だが、その分操作の習得に時間がかかる。
 線画が描けても、色の塗り方がまたよくわからない。

 頑張ろうと思うのだが、クリスタの画面を見続けるのがつらくて、1か月で筆を置くことになった。

 こんなことを言っては生意気だが、こっちもこっちで年輪を重ねているせいで、いわゆる「憧れの絵の漫画家」とかがほとんどいない。「こんな絵を描けるようになりたい」という憧れのイラストもない。
 なんというか、もうすべてが別世界に思える。世代も含めて。

 デフォルメは無理、という諦めも混ざっていたと思う。
 また、到底初心者では思いも付かない、高度でハイセンスな絵はもちろん憧れだが、「ああいうふうに描いてみたい」というより、飛び抜けた良さの絵は「鑑賞したい」の対象だった。

 結局、私はネタ元であるLCのコミックやアニメの模写と、モデル写真の模写をしばらく続けていた。写真からイラスト調の絵を起こすのは困難だったが、慣れると「人の顔の作り」や「角度で形状がどう変わるか」 「影の落ち方」などを観察するのが楽しくなって来る。
 一方で、それを絵として落とし込む力が足りない無力感も。

 しかし、練習を続けたいと思う一方で、ともかく目の痛さは深刻だった。

 私は10月に練習を始め、1か月後の11月の半ばに、もうクリスタを開くのも辞めていたのだった。

 まさに「目があ、目があ……」のエンディグである。

  

  

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