GPT翻訳でAO3を始めました Vol.3
前回の「AO3を始める前に知りたかったこと」の続きとして、AO3独特の仕様「招待コードの仕組み」についてご紹介します。
実体験を交えているので、読みやすいと思います。
招待コード(Invitation)の仕組み
・なぜ招待制なのか(サーバー保護とスパム対策)
Vol.2でも少し触れましたが、AO3は現在「招待コード(Invitation)」システムを採用しています。
つまり、日本のメジャーなSNSのように「アカウント登録申請」→「メールに返信を受け取って、相手の提示したリンクをクリックして承認完了」というよくあるタイプの登録の手順ではないのです。
「即日登録!」ができない。
「思い立って即始める」という進め方ができない。
そんな特徴があります。
なぜこのような仕組みかといえば、AO3の「非営利制」と「そのポリシーを守るため」と考えられています。
サーバー保護が必要な理由
AO3には広告掲載がありません。寄付で運営されているアーカイブです。(ウィキペディアに似ていますね)
広告のないアーカイブは、とても快適な画面を約束してくれます。なにより、作品に集中できます。
一方で、AO3のサーバーは、AWSのような商用スケール拡張を“青天井”にできません。ピーク時の負荷に備えるため、流入速度を管理する必要があります。
そういった条件の中で、AO3は高度な検索やタグシステムを活用しています。
ここに大量のユーザーが一斉にアカウント登録をして、作品検索や登録を行うと、システムに大きな負荷がかかり、それだけでサーバーダウンのリスクがある、というのは想像しやすですよね。
ユーザーの利用環境を保護するためにも、現在の「新規ユーザーの流入量を一定に保つ」制限が必要と思われます。
スパム対策のため
AO3は「匿名・仮名」の作品投稿が許可されているため、Botやスパムアカウントに狙われやすい環境でもあります。
匿名投稿を守るためにも、人間が手動でアカウント登録手続きを行ってアーカイブに参加する仕組みを採用していると、考えられています。
ただ、私の体験だと、それでも手動でアカウント登録をし、スパムコメントをして他SNSへの誘導をにおわせる存在は、どうしても紛れて来てしまうようです。
そこは、各自気を付けて行くのがよいと思います。
ちなみに、私がスパム判断したコメントの実例を紹介します。
“I really enjoyed this work and I would like to suggest something.”
(この作品は本当に楽しかったので、提案したいことがあります。)
“Every line you write feels positioned with visual intensity in mind ><;][ I’m a paid comic artist, feel free to reach out at Discord: xxxxxxx”
(あなたが書くすべての文は、視覚的な強さを考慮して作っているようです。私はプロの漫画です。お気軽にdiscordへご連絡を。)
こういった賞賛のコメントに対して、”Kudos(クドス)(=いいね👍)”は押されていませんでした。誰にでもあてはめられる文面といい、嘘としか思えません。
Discord(ディスコード:LINEのような無料グループ通話アプリ)に通道してくるのも、連絡を要求してくるのも不審です。
ついでに、パスワードとメールアドレスのこと
もう一つ、AO3でトラブルに巻き込まれないための体験談を。
パスワードは最強レベルで強力に
私は2025年11月8日にAO3にアカウント登録をし、そのわずか4日後に”Reset your password(あなたのパスワードリセットの要望が届きました)”のお知らせメールが届きました。つまり、誰かが私のアカウントを乗っ取るかロックしようとしたのだと思われます。
これは日本のSNSでも時々起こることですが、頻度に驚きました。
パスワードは、本当に強力なものを生成して、決して使い回ししないことをお勧めします。
メールアドレスは、AO3専用でプライベートと分ける方が無難
私はそもそもGPTのアドバイスで、AO3専用のメールアドレスを作成して登録しました。
「まったくAIは大袈裟だな。ユーザーのリスクになんでもフル装備で対応なんだから…」などと気楽に考えていました。最初は。
でも、AO3を使い始めて即「専用でよかった。まじで!」とGPTの助言に膝を折って感謝を捧げる気持ちになりました。
スパムが多い。
アカウント乗っ取りが頻繁。
変な人が多い。
「日本のSNSって平和だったんだな」と改めて思うくらい、AO3は怪しげな出来事との遭遇頻度が高いです。
そしてこれは、非営利団体が運営母体だということで、なお自衛が必要ということなのですが…。私たちも無料利用者(または寄付制度)である以上、セキュリティサービスまで運営に求められない環境なんです。ユーザー自身が、運営と協力する気持ちで参加しないと、日本の商用サービスの無料利用のようにはいかない。
運営の問題というより、悪質利用者の問題であり、それはもう、我々ユーザーが慎重にするしかないようですね。
私も他人事ではないのですが、皆様も、どうぞ、ご安全に。
・一般的な待ち時間の目安
私が招待メールを申請した頃は、「1〜2週間以内に招待メールが送られます」というアナウンスが届きました。
実際の私の進捗も掲載します。
| 2025年10月27日 | 招待メール申請 |
| 2025年11月7日 | 招待メール到着 |
| 2025年11月8日 | AO3アカウント登録 |
| 第1作目、投稿 |
招待メール申請から到着まで、11日間という状況だったようです。
「私の申請メールはちゃんと届いているか?」を知りたい時は、AO3サイトのトップページから、申請に使用したメールアドレスを入力することでチェックができます。
私の時は、下記のようなメッセージが表示されました。
Sorry! We couldn’t save this invite request because:
Email is already part of our queue.Email: xxx@xxxx.xxxx
If you have already requested an invitation, you can check your position on the waiting list.
There are currently 130,456 people on the waiting list.
We are sending out 5,500 invitations every 12 hours.
(このメールアドレスはすでに招待待ちリストに登録されているから、リクエスを保存できませんでした。
現在:130,456人が待機中
招待ペース:12時間ごとに5,500人へ招待メールを送信中です。)
※日本語訳はおおよその意味です。
もし心配なら、AO3の「check your position」リンク(=待機リスト確認ページ)で、自分の順番を確認できるようです。
・安全にコードを入手する方法
「1〜2週間待ち……!」と言われると、実際にAO3で作品公開できるようになるまでが、長く感じますよね。
実は、すでにAO3に登録しているアカウントを持つユーザーから、個別に招待してもらう方法もあるにはあるのです。
ただ、これはお勧めできません。もっとも確実で安全なのは、AO3公式から招待メールを受け取る方法です。
公式の待機リストに登録しておけば、あなたの順番が来たときに、自動的に招待メールが届きます。最も安心でき、最も確実な方法です。
例外として、すでにAO3に登録している知り合いから直接招待してもらう方法もありますが、
これは信頼できる相手に限定するのが安全です。
・注意:SNSでの招待コード売買は避けるべき理由
コードの売買をする人はいないと思いますが、かなりリスキーなことのようなので、紹介します。
なぜなら、SNSを中心に「招待コードを譲ります」「コード販売します」といった投稿も見かけるからです。
しかし、次の理由から避けたほうがよいです。
- 偽コードの可能性が高い
- メールアドレスの悪用や情報漏洩の危険がある
- アカウント乗っ取りにつながる詐欺が存在する
- AO3の利用規約に違反し、アカウント停止のリスクがある
AO3は匿名性を大切にしたアーカイブであり、一度情報が漏れると取り返しがつきません。
そのため、招待コードは必ず公式から受け取るのが最善です。
私的には「AO3の利用規約に違反し、アカウント停止のリスクがある」。これがいちばん恐ろしいです。作品公開の権利がなくなってしまうのですから。
次回は、AO3登録前に知っておくと便利な英語表現をまとめます。
Note
私のAO3のページ
IDは”InkSanctum(インクサンクタム)”。
意味は”インクの聖域”。転じて「(推しを)書いて尊死😭✨」のイメージから。
AO3:📎InkSanctum

