はじめての小説の書き方――昨日の出来事に、ひとつだけ嘘を混ぜる
巷によくある小説読本を読むのがいいのですが、WEBで何か探したいという方へ向けて。
この記事の対象は「本当に初めて小説を書く人」「小説を書きたいが、何をどう書けばいいのかわからない人」向けです。
すでに書きたい話がある人は、そのまま書くのがいいと思います。
昨日あった出来事を特定の友達に話すつもりで話をつくる
これは体験談を元にした話の作り方です。
日常的に多くの人がやったことのある内容でもあると思います。語る相手は友達でなくても、関係性はなんでもいいです。家族でも知り合いでも。
その人が聞く、という想定で書くのが大事です。
これで説明内容も語り方も決まって来ます。
昨日あったできごと。
次の日に誰か、または特定の「あの人」に話したい内容ならなんでもいいです。
・夕ご飯の調理時間にコンロが壊れていた。
・冷蔵庫を開いたら真夏に電源が落ちていて中身が腐っていて大変な目に遭った。
これらの出来事が「結局どうなったのか」で話は落ちます。
ひとつの物語が完結します。
ノンフィクションをフィクションにする
先ほど作った話は、いわばノンフィクションです。
体験をそのまま語ったものです。
これをフィクションにするには、まず何かひとつ、話を盛る、嘘を混ぜる。
・自分がやっても作動しなかったコンロが、帰って来た家族がやったら使えた。しかし、やっぱり自分が使うと使えない。家族は使える。
・冷却機能停止でほとんどの食材が腐り始めていたのに、いちばんやばそうなアイスクリームだけが一切溶けていない。
それからどうなったか。
解決しなくても話は終わりにできます。
・週末にコンロの買い替えに行くことになった。新しいコンロが来たが、今度は自分しかコンロの火をつけられない。
・溶けなかったアイスクリームは家族がダイエットのために置いていた精巧な模型。最近太ったと何気なく言った言葉に傷ついてダイエットを始めていたのだった。次の日は、一緒に運動しに行くことになった。
これだけ。
小説の長さについて
このタイプの小説の書き方の場合、最初は短い話で終わることが多いようです。
私は、長さについては成り行きでいいと思います。
むしろ、長く書こうとしない方がいいです。
なぜなら、作品には主題に適した長さというものがあります。基本的にはその主題に合った長さで話を作るものです。それが出来の良さなので。
無理に伸ばしてみて、上手く伸びれば伸ばせばいいですし、上手く伸びた気がしなければもっと早く終わっていい。
ジャンル小説はまた違う書き方の練習が必要
ここで紹介したのは、特定ジャンルの作法を知らなくても始められる練習です。
身近な出来事と語り方から出発するため、純文学寄りの短編になりやすい一方、混ぜる嘘や展開によってホラー、SF、恋愛、ミステリにも広げられます。
特定ジャンルの読者へ届けたい場合は、そのジャンルで期待される要素や構成を別に学ぶ必要があります。
ジャンル小説とは、ここでは、「ミステリ」「SF」「時代小説」「ライトノベル」などのジャンルがなんらかある小説、とします。
ジャンル小説には「そのジャンル独自の書かれ方」が概ね存在します。ミステリなら謎解き、SFなら架空科学や不思議なできごと、時代小説は江戸時代や幕末が舞台、ライトノベルはキャラクターの強さなど。
これらが「ジャンル小説」と呼ばれるのは、そのジャンルに一定の「こういうものが読みたい」「こういうものが好き」という需要が存在し、そこへ向かって作品を作るのがある種の作法だからですね。
作法は、その作法の存在を知り、訓練して身につけるものです。
そこが先ほどの「誰でも書ける小説の書き方」とは違うところです。
参考図書
なんとなく書き方について語りましたが、本当は数ある小説読本を読むのが良い方法です。
とはいえ私もあまり書き方の本を知らないのですが……。
いちばん実用的なのは、次の本だと思っています。
この本で得られるのは、人物と話の作り方両方です。
どうすれば長い話が書けるのか、という問いにも答えてくれます。
ご参考まで。
