ありがとうYouTube
2023年春頃に、YouTubeで偶然、道端で血まみれになりながら薔薇を咥えるアルバフィカさんのアニメ絵を見掛けました。目が、目がうつろです。ダメージが相当です。
つまりこれが、ミーノスを倒すために瀕死の重傷を負いながらロドリオ村に辿り着いた場面なのですが。しかも対戦相手が冥界三巨頭のミーノスと知って度肝を抜かれたものです。
『星矢』のスピンオフが盛んとはなんとなく知っていました。しかしどういう内容かは知らなかったので、魚座のアフロディーテのイメージがそれまでと違うことに、まず強い興味をそそられました。
そしてこの人は魚座だがアフロディーテではなく、前聖戦の18世紀の黄金聖闘士だと知っていきました。説明は省きますが、「瀕死の血塗れで汚れ、市街地戦で死闘を繰り広げる魚座」というのは、それまでの魚座のイメージとはかなり違いました。
しかもアルバフィカの容姿には、どうにも気を惹く魅力がありました。
ストレートのロングヘアで、素顔のナチュラルなイメージのところがとてもよいなと。
この魚座がミーノスとどのような対戦をするか知りたかったし、Youtubeで出て来る動画が、その……、もしかして「この二人、カップリングとみなされている……?」という内容で。
ははは。無印でほとんど活躍の場のなかったミーノスと、魚座!
なんぞそれ、と興味が爆上がりし、買い控えていたコミックスも買ってしまいました。しかも3巻だけというピンポイント。
ちなみに私自身は魚座です。
「敵の女さえも惚れさせる それが真にモテるということ」支那虎伊織
LC3巻読んでまた度肝を抜かれました。
ミーノスがアルバフィカに「しかもあの男」「なんと なんと美しい」って、なにごと……。
私がこのページを読んだときに思い出したのは、『リングにかけろ2』の支那虎伊織のセリフです。
「敵の女さえも惚れさせる それが真にモテるということ」という。
私は、これは車田正美作品の真骨頂だと思いました。
LCはなんて忠実に車田魂を持って描かれているのかと。
いまは私のこの発想が正しいのかだいぶ自信がなくなって来ているのですが、当時はそう思いました。
ついでに、車田漫画の私の印象だと、「女みたいな美形の男」は割とよく出てきて珍しくはないのですが、「美しい美しい」を連呼されること自体はほとんどないんじゃなかったかと。
例えば美少年設定のアンドロメダ瞬は作中で、ときどき「少女のような顔をしたきみ」など、容貌について言及されていました。しかし、アルバフィカとミーノスみたいに一人の対戦相手が、同じ戦闘の最中に何度も何度も何度も容姿の美しさに言及する、というのは前代未聞だったと思います。私の知るかぎり。違ったらすみません。
とにかく、なんかわかんないけど、アルバフィカは敵であるミーノス様に、美しさをやたら認められたようです。
強さではなく。へえ。
そしてミーノス様の残虐ファイトが行われ、アルバフィカは一度血の海に沈みます。
ここからどうなるんだろうね、と、思っていたら、YouTubeの画面の「血塗れで市街地までミーノスを追って行くアルバフィカ」の場面に辿り着きました。
ぶっちゃけ私、この対戦、何が起きているのか全然わかりませんでした。
ミーノスがよくわからなかった。
なんでこの人、冥界三巨頭なのにこんなに仕事舐めているの? というのが最大の意味不明だったのでした。
ある意味、これは無印ではなく、手代木史織の『ロストキャンバス』なんだと早く頭を切り替えるべきだったのですが。『星矢』だと思うと内容についていけていなかったのです。
挙げ句の果てにミーノス様がアルバフィカに「見逃して差し上げます」て。
そんなセリフ吐いた車田キャラ見たことない。
しかし、なんかわからないけどこの「見逃してさしあ」が異様に私の心には刺さった。
刺さった果てにアルバフィカの「貴様は何をもって(私を美しい)と評した」なので、ますます私はこの漫画に吸い込まれて行ったのです。
魚座が!
原作で一度もそんな素振りを見せていなかったのに、頭の弱そうなナルシスト扱いされていた魚座が! 美しいよといわれても、何も嬉しくない、むしろ侮辱だと腹が立つって!!
なんてイケメンな性格づけなんだ。これは素晴らしい!
と、おそらくほとんどの人がそう思ったことを私も思い、そしてアルバフィカは見事私の2023年推しキャラの第一位の地位に咲き誇ったのでした。
とりあえずそんな始まりでした
そのように、10数年振りに胸を射抜かれたBLカップルネタではありました。
しかし私これ、その後半年以上放置していたのです。
アルバフィカが格好良くていいキャラなのはわかる。
そしてミーノスはなんだかわからない人物だが、ともかくアルバフィカをやたら好きそうに見えるところがなんか刺さる。
私の認識はせいぜいこの程度だったのですが。
長くなってきたので、一度ここまでにしますか。