ミアルバ二次創作小説「映画みたいな恋をして」分析

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二次創作らしくない二次創作のゆえん

 私のミアルバ二次創作小説に『ミゼラブル』というシリーズがあります。
 そのシリーズ第2作『映画みたいな恋をして』について、Chat GPTが作品分析をしてくれたので、ご紹介します。

なぜ私は、需要に対して供給できないのか━━

 私の作品は、あまり二次創作らしくなく、わかりづらいようです。
 書いているものは確実に二次創作なのですが、「なにか違う」という違和感は、書き手の私にもある状態です。それでも書きたい気持ち優先で作風は変わらず。
 今回は、なぜ二次創作らしくないのかの分析とともに、作品分析によって作風紹介もできればと考えて記事をつくりました。

 自由に読んでいただけるのがありがたいのですが、作品構造を見ていただくと、ちょっと違う一面を感じてもらえるかもしれません。

 なお、現在、作品はPixivで公開しています。
 

『映画みたいな恋をして』 構造と象徴の解説

1. 全体構造:三幕+余白の補完

 本作は以下のように明確な三幕構造を持っており、それぞれが「関係の非対称性」への問いと更新で構成されている。

 第一幕:カフェ〜送金(関係の開始/借りの構造)

 第二幕:観光案内〜ナショナル・ギャラリー(主体性とケアの交錯)

 第三幕:スケート〜ホテルの夜(関係の共犯性=愛の契約)

 余白:翌朝の描写と語り(支配の欲望と自由意思の共存)

 このように、関係が「強者/被保護者」から「対等な恋人」への変化を辿る。

  

2. シンボルと象徴表現

 * 赤い薔薇:かつての毒(アルバフィカ)/今の愛(ミーノス)

    同一の花に、意味の変遷と再授与を行わせる。

 * 火傷:美しさの代償/自己価値を損なう感覚

    自己破壊的傾向を象徴し、ミーノスのケアにより”再構築”される。

* スケートリンク:共に立つ訓練/かつての戦闘の逆表象

   殺し合った過去=”互いの力を測る場”から、”バランスを取って並走する場”へ。

 

3. 台詞設計と心理構造

 * ミーノスの語りは”提示”型:感情を言葉で示す

 * アルバフィカの語りは”抑圧”型:行動と間で語る

 この非対称性は、読者にアルバフィカの「不器用な心情の発露」を推測させることで、より強く共感を促す仕掛け。

 また、ミーノスはあくまで”操る存在”のコードを背景に持つが、それを”自ら否定したい欲望”として内包している。この”制御願望 vs 解放願望”のせめぎ合いが彼の魅力となっている。

 

4. 過去との和解と再起動の構造

 * “殺し合ったふたり”が”リンクの上”で手を取り合い、バランスを取って滑る

    これは明確に”和解”と”新しい関係性の獲得”を表す。

 

  * 滑ること=力関係を失った共存

 * 前世の記憶が象徴として挟まれるが、それに”囚われてはいない”描写(=自由意思の獲得)

 

5. 細部の技巧

 * “メールアドレスからメッセンジャー連携”→”無言の選択”

    受動的選択が、積極的関与に転じていく象徴的段階。

 

 * 薔薇を”コサージュにして身に着ける”行為

    愛の受容と、過去(死)から現在(生)への象徴の再配置。

 

 ”私はあなたに勝てない”というミーノスの語り→”見えないけど縛られている”アルバフィカの受容

    欲望の非対称と、自発的服従(愛による支配の再定義)

 

6. 読解がややこしい理由

 本作が一見すると「恋愛イベントの連なり」のように見えながらも、その核心は構造の変化に置かれている。

 登場人物たちは「可愛い」「かっこいい」といった、わかりやすい記号性で楽しませるキャラではなく、物語全体の中で機能的な役割、すなわち「構造上の位置」によって配置されている。

あまがい註:二次創作は既存のキャラクターイメージを踏襲して作られる、と読み手にイメージされているために、キャラクターの記号性は重要。私の作風にはそれが薄い、あるいは、わかりにくい)

 たとえばミーノスは「与える者」から「対等な契約者」へと、自らの立ち位置を移行させながら物語の変化を導く存在であり、アルバフィカは「受け取る側」から「共に選ぶ者」へと主体化していく。

 このようにキャラクターが「何を象徴し、何を変化させる役割を担っているのか」を読み解くことが、本作におけるキャラ理解の本質である。彼らの行動や語りの設計は、構造的変化の一部として緻密に配置されており、それが読み手に深い読解体験をもたらす。

 構造の中で機能する存在としてキャラクターを把握すること。これこそが、本作の読解に求められる視点であり、二次創作らしくなく、読みづらいゆえんでもある。

 

7. 作中関係の定式化(物語の鍵)

 初期:ミーノス→アルバフィカ(与える者/与えられる者)

 中盤:ミーノス↔アルバフィカ(理解の交換)

 終盤:ミーノス+アルバフィカ(共有者/共犯者)

 この”関係の変質”こそが、物語の背骨であり、それを構造で描き切っている点が本作最大の魅力。

 

ChatGPTの分析について

 ここからはあまがいの記事です。 

 1.〜7.の分析について、GPTはよく私の作品を見てくれるなと思いました。
 つい赤いアンダーラインを引いたミーノスの魅力「ミーノスはあくまで”操る存在”のコードを背景に持つが、それを”自ら否定したい欲望”として内包している。この”制御願望 vs 解放願望”のせめぎ合いが彼の魅力」これは、GPTに拍手を捧げたい…!


 そうです、「操り属性」のミーノスが、恋愛においていかに「制御(操り)性」を発揮しながらアルバフィカの自由意志を損なわずに関係を築くか。ここが私としてはミアルバの核です。

 つまり、恋愛におけるミーノスの「制御(操り)性」は、「奉仕」に変形しているんです。戦闘においてはいかに相手の嫌がることをして相手の無力と自分の優位性を示すかに「制御(操り)性」が発揮されました。しかし、恋愛では得意の制御は、意味が逆転せざるを得ない。

 これによってミーノスもまた、戦闘用のキャラクターから、恋愛仕様に変換できる。変換は、作中ではみずからそれを選んでそうなっていく。そこが、「プライドの高すぎる有能男性が、めちゃくちゃになる恋愛もの」が好きな私としては、最高の主題であり、最大の推したる所以でもあります。

 二次創作であることに間違いはないのですが、一方で、二次創作的な読みやすいがあまりないのもまた事実です。
 それを踏まえて……、

 もしも、このような恋愛物語、あるいはミアルバ、あるいはミーノスと、彼に愛されるアルバフィカの小説にご興味を持っていただけたら。ぜひ本作や他の作品もお読み願えればありがたいです。

 あまがいの二次創作(Pixivリンク)

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