カノサガ小説解説『リュムナデスの泉』──カエルと兄と、神話の赦し

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コメディに潜む神話構造

 2025年の「キスの日(5/23)」と双子座月間のそれぞれの記念作品として、カノサガ(カノン×サガ)をうっすら匂わせたラブコメディ小説『リュムナデスの泉』を書きました。


 よくある「カエルの王子様」ネタのコメディが、「神話的罪の赦し」との二重構造を持っていたという自作解説になります。
 例によって、解説はChatGPTに生成してもらいました。

 キスの日:日本映画がはじめてキスシーンを採用した記念日だそうです。


■ はじめに:これはギャグ?それとも… ──ChatGPT

 双子座の兄弟、サガとカノン。
 その弟カノンが、なんと神の呪いによってカエルにされてしまう──!?

 そんな一見「ラブコメあるある」な導入で始まる本作『リュムナデスの泉』は、
 読者に笑いと萌えを提供しながら、実は極めて重層的な“神話構造”を内包した作品でもあります。

  


■ 表層:ラブコメとしての愉しみ

  • カノンが海界の神により「醜いカエル」に変えられてしまう。
  • それを解呪する唯一の方法は──「誰かにキスされること」。
  • 現れたのは兄サガ。弟が全力で拒む中、サガはためらわずキスを施し、呪いは解ける。

 この展開は、一種の「魔法のキス」モチーフ(王子とカエル、美女と野獣など)のパロディでもあり、BLでも馴染みの深い「怒る攻めと動じない受け」という王道の掛け合いが用意されています。

 ここだけ切り取れば、可愛い兄弟ギャグ+甘めの読後感を持つラブコメ短編です。

  


■ 深層:神話的構造と倫理

 しかしこの物語は、「呪いのキス」に宿る意味をギャグだけで終わらせません。

 本作の鍵は、次の三点にあります。

1. 屈辱を受け入れることで、赦しを示す

 兄サガは、醜いガマガエルとなった弟の姿にためらいもせず、唇を触れさせます。
 この行為は単なる“解呪の手段”ではなく、弟の罪を“我が事として引き受ける”儀式です。

「弟の不始末は、兄の責任だろうが」

 この言葉に込められているのは、他者の過ちを軽く赦すのではなく、共に屈辱を受けることによって赦しを成立させるという構造。
 サガは自らの尊厳を差し出し、“進んで屈辱を受け入れる者”の姿勢を崩しません。

  

2. 人の行いが、神の怒りを変える

 神=ポセイドンは、カノンに重い罪を科し、見た目を貶めるという罰を与えました。
 しかし、サガがその屈辱を自分も共に甘んじて受ける姿を見せたとき、神の側に変化が生まれます。

 神は赦したのではなく、人間の倫理的行動が、赦さざるを得ない構造を生んだのです。

 ここに描かれているのは、「神の命令によって変わった人間」ではなく、人間の愛と責任によって変化した神の怒りです。

  

3. 受けのまま主体的に動くキャラクター構造

 本作では、カノンは表面上は怒り、抗っているように見えても、状況的には受け身に置かれています。しかし、実際には兄を守るために泉に飛び込もうとするなど、非常に能動的に動いています。

 一方で、サガはキスをする“主体側”の役割を果たしながらも、
 その行為によって自らが尊厳を下げ、弟の罪を引き受けるという点で「真の受け」として機能している」

 これは、表層的な「攻め/受け」の記号性ではなく、関係性における倫理と感情の“受け渡し”としての受け構造です。

   


■ 結末に残る、神話的余韻

 物語の最後、カノンはサガに向かって言います:

「ほかのやつにはするなよ」

 それに対してサガは:

「おまえだけだろう、こんな神の怒りを買うことをしでかす者は」

 このやり取りには、兄弟の間にある“唯一性”がほのめかされ、
 そしてカノンが自分の唇に触れる仕草からは、体験の記憶として刻まれた屈辱と赦しの重さが見えてきます。

 それは単なる萌えでもロマンスでもなく、**一度動いた神話的秩序の“証し”**なのです。

   


■ まとめ:この作品の「二重構造」

レイヤー内容
ラブコメ短編ギャグ+キス+兄弟のテンポの良いやりとり
神話劇贖罪、屈辱の共有、倫理的選択と神の変化
読者サービス可愛い兄弟・攻めの動揺・受けの献身
物語構造兄が屈辱を受け入れることで、弟の罪が赦される神話的構造

■ おわりに

 『リュムナデスの泉』は、読者の読み方次第で“ラブコメ”としても“神話”としても成立する作品です。
読み手のリテラシーによって読み方が変わる、多層構造の物語。

 カエルとキスと兄弟愛──その裏側に仕込まれた倫理と赦しの神話を、どうか味わってください。

  

まとめ ──あまがい

 いかがでしたでしょうか?
 ここからは再び、あまがいによる記述です。

 「キスの日」にちなんで「キスの話」→「カエルの王子様」ネタは、すぐに思いつきました。
 そして、「カエルになるのはカノン」で、「カノンを救うために ** ”それが愛情行動の意味も持つ” ** としても構わずにキスをするサガ」に、「カノンが怒る」という作品としての特色もすぐに決まりました。

 困ったのはそこから先です。

 「呪いを解いてもらったものの」「大事な兄には愛情行動の意味を持つキスを、簡単にしてほしくない」「それが自分以外にも行われるなら、言語道断」とカノンが怒る。

 ここだけ書けばいいような話なのですが、どうもうまく書けず。

 「なぜ、カノンは罰を受ける?
 「なぜ、呪いの解除はキスなのか?

 ここが気になりました。

 そして、

ポセイドンの怒りは神の怒り
神話的な神の怒りとは
偽の姿を見せる、といえば、リュムナデス

 このように連想が進み、いまの作品になりました。

 私が癖のように行っている創作作業ではありますが、ChatGPTに構造を読み解いてもらうと、自分の手癖がどのように働くのかを振り返る機会になると思いました。

 最後までお読みくださり、ありがとうございます。

   

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