GPT翻訳でAO3を始めました Vol.1
突然の海外デビュー
単に「AO3を始めた」というだけなのですが。
しかも小説のAI翻訳で。
AO3とは
AO3(Archive of Our Own)は、Organization for Transformative Worksが運営する二次創作作品投稿サイト。主に英語圏の創作が主流だそう。日本語で投稿も可能。本質はアーカイブなので、図書館に作品を収蔵するようなイメージ。
Pixiv百科事典:AO3
私(InkSanctum)のAO3ページ
IDは”InkSanctum(インクサンクタム)”。
意味は”インクの聖域”。転じて「(推しを)書いて尊死😭✨」のイメージから。
AO3:📎InkSanctum
なんでこんなことを始めたかというと、「国内で二次創作小説を読んでもらうのは、かなり難しい」「読み手の方々の負担がとても大きい状況」と判断したからです。
特に私の二次創作ジャンルのミアルバ(ミーノス×アルバフィカ)は、
- 連載終了作品 その上、終了後10年以上経過
- ジャンル内のメジャーCPではない
- 同CPの書き手が少ない
という圧倒的に人の少ない要素が揃っています。
そして「X(Twitter)の登場以降、読み手の能動性はシステムによって失われた」と私は考えています。
まあこれも単純な話で。
少し昔話をすると、「かつて二次創作界隈は、個人のWEBサイトとブログの全盛期だった」というのがありまして。
つまり各々が自分の拠点(WEBサイトやブログ)を持っていて、リンクページやサーチエンジンへの登録で、読みたい人が自力で巡回する仕組みだったんです。
これを劇的変化させたのが、X(Twitter)。
ともかく、フォローしていれば、欲しい情報は相手が流して来る。タイムラインに流れて来るものを、気に入ったらクリックするシステム。
便利である反面、フォローする側にとっては「相手が情報を流して来る」ように見える。するともう、受け取るだけで精一杯でも不思議はないように思いました。もちろん、読者側の努力不足ではなく、仕組みがそうさせているだけで。
人が1日に捌き切れる情報の量には上限があるという説もあります。
それに基づくと、Xのフォローシステムは開いた途端にその上限を使い切ってしまう。「読まない」と判断するのも分岐の一つなので。そこでもリソースを消耗する。
これ、むしろ「読んでもらえたらありがたい!」という状況だと私は理解しました。
反響が不明
この状況に対して、私の事情。
私も、多くの書き手同様、作品に対して「どう受け止められているか」が気になります。
私の場合は、どの程度受け入れられているのか、どのように受け入れられているのか、あたりを参考に、次のどう書くかのイメージを作って行きたいのです。
でも、誰がどんなふうに読んでいるのかが、あまりにもわからない状況だと、かなり書くのがしんどい。
この状況で、ブクマや感想まで寄せてくださる方には、本当に感謝しかないです。
でも、読んでいただけるだけでも、かなりありがたいことだなというのもわかってきて……。
それに、なんとなく、「読んでね」圧が読み手の方にかかりがちなSNS環境も、心苦しかったんですよね。小説読むのは本当に時間もエネルギーも必要です。それをSNSの義務みたいに感じさせてしまうのも申し訳なくて。
国内の読み手の方々にも本当に助けられているし、国内での反応がなければ海外へ持って行ってみよう、とも到底思わなかったです。
じゃあ能動的システムに行けばいいじゃないか
そんな感じで、AO3を選択しました。
星矢自体が、国内の新規ファンの流入は「再燃組」頼りだと思います。今から若い世代が大きく流入するかというと、作品がだいぶ前のものになっているだけに、それも難しい。
そう考えた時に、海外展開していて、今も熱い地域に、「数」「熱気」「読む気持ち」を見出すのは、ほとんど自然でした。
ちょうど、SNSで「国外では星矢が熱い地域もある」というお話を見聞きもして、いいタイミングだったのだと思います。
とはいえ、AO3は海外サイトですし、法的な問題もよくわかりません。小説とはいえ、作品の投稿レギュレーションも日本とは異なるかも。
そういうハードルがあったので、私はAO3の登録承認メールの待機期間10日程度の間に、Pixivで英訳小説の様子見をすることにしました。

「いいね」・「ブクマ」をくださったのは、実質既存の日本のフォロワー様なのですが。
こんな感じで、「思ったよりも、英語版も読んでもらえる?」と実感。
AO3での小説作品の投稿形式もだんだん理解できて来たので、いざAO3の時は、少し余裕が出ていました。
ていうか英訳どうしたの? 仏訳までやってるの?
英訳はChatGPTにお願いしました。私の英語レベルは高校英語未満くらいなので、恥ずかしながら、英訳の仕上がりをチェックするだけの英語力もありません。
ただ、ちょっとマニアックな話ですが、私の小説の日本語文体をGPTに分析してもらったところ、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)で言うと 「C1上限〜C2未満」 の水準だそうです。文学でいうと、かなり本格的な文芸小説の日本語運用、とのことでした。
そして C1を超えた日本語文学を “日本語→英語” に翻訳する場合、実際には日本語ネイティブのプロ翻訳者に頼むしかありません。
皆様もおわかりのように、海外文学の日本語訳を担当されている翻訳者のほとんどは日本語母語話者です。英語ネイティブが日本語→英語の文学翻訳を担当することはゼロではありませんが、かなり稀です。母語のほうが表現力の幅が広いからです。
一方で、私の英語力はReadingでB1の上限くらい。
さらに、私の作品をAI翻訳した場合、文学ジャンルでは C2帯にまで水準が跳ね上がる そうです。このレベルになると、英語ネイティブでも文学読解に慣れていないと少し難しいらしい。
つまり、この時点で自力翻訳の道はもうありません。
GPTが英訳できるなら、それに頼るのが一番コストパフォーマンスがいい、という判断です。
ちなみに、フランス語訳はまた別の事情があって、私の文体の場合は翻訳すると文学水準がさらに上がるそうです。
フランス語は日常文体と文芸文体の中間レイヤーが薄いらしく、翻訳時にはどちらかに振る必要がある。日常文体で文学を表現すると不自然なので、文芸文体を選ぶことになる。その結果、自然に文学水準が上がる。
GPTいわく、私の文体はフランス語でこの“水準の上がり幅”が特に大きいらしく……謎のバフがかかりやすいとのことです。
ああ、これはもう、気合い入れた文学系作品は、フランス語訳してもらおう…と、思うに至ったという感じです。
とはいえ、フランス語は英語よりさらにわからないので、本当なのか私にはわかりません。
わからないから、実はただの機械翻訳丸出しの、しょうもない訳文かもしれません。
でも、いいのです。
とりあえずやってみたい。
「字書きは世界の人に見てもらえない」
「字書きは日本でやるしかない」
「日本語しかできないなら、どうにもならない」
そういう限界を超えられるなら、嬉しいじゃないですか。
そんな気持ちです。
「英訳したから読んでもらえる」という簡単なものではないですが、すぐに結果が出るものでもなし、コツコツと様子を見ていこうと思っています。
End Notes
私のAO3のページ
IDは”InkSanctum(インクサンクタム)”。
意味は”インクの聖域”。転じて「(推しを)書いて尊死😭✨」のイメージから。
AO3:📎InkSanctum

