粉雪と帰り道
Summary
聖闘士星矢 The Lost Canvas のミーノス×アルバフィカ(ミアルバ)二次創作。現代東京AUで、ほのぼのラブコメの短編。AO3に英訳版を掲載したオリジナルの日本語版です。
いわゆる”現代東京AU”。唐突に現代日本で同居しているミーノスとアルバフィカ。しかもミーノスがちょっとツンデレ。そんなミーノスに純真なアルバフィカは、まっすぐな優しさを注いでいる模様……。
冬の始まりに、そんな日常ほのぼの掌編をぜひどうぞ。
粉雪と帰り道
ミーノスとアルバフィカは、現代日本の東京という街で暮らしているそうです。
夕方、二人で買い物袋を抱えて、家への帰り道でしょうか? おや、雪が降ってきました──もう、冬ですね。
🌹「寒いと思ったら、雪だ。早く帰ろうな、ミーノス」
🦅「………」
🌹「寒いの苦手か? ──あ、指まで真っ赤じゃないか。貸して」
🦅「ちょ…、何をす……!」
アルバフィカはミーノスの冷たい両手を、あたたかな自分の両手で包みました。
🌹「冷たい……。これじゃ口も聞きたくないよなあ。もうすぐ家だ。帰ったらヘパリン入りのクリームを塗ろう」
アルバフィカのやさしい笑顔に、ミーノスは照れたように顔を背けます。でも、手はあずけたまま。だって、あたたかいから……。
🦅「ヘパリンて……。それ、この前変なテレフォンショッピングで買ってたやつでしょ。医者も推薦とかいう」
🌹「それ! よく効くぞあれは」
🦅「手に塗るものだっていうのに、顔にも塗ってたでしょ。あなた、それ」
🌹「いいじゃないか。顔にも使えて得だ」
🦅「雑。ほんとにガサツ。なんでも雑──まったく」
🌹「私はいいんだよ。お前は格好いいんだから、きれいにしたらいいじゃないか」
急に褒められて、ミーノスはまた言葉を詰まらせました。
しかし、アルバフィカが笑顔なので、つい心がほころびます。
🦅「……アルバ……」
ミーノスが親しげにそう呼び掛けたとき、アルバフィカは挟んでいたミーノスの手を離し、目の前の街灯の足元にいた猫に向かって駆け出していました。
🌹「あの猫! 雪に埋もれそうじゃないか! マフラー貸さないと!」
🦅「……ふん」
ミーノスは、猫に向かっていくアルバフィカの背中に、さみしげにつぶやきました。
🦅「私は猫以下ですか。もう、帰っても口聞いてあげないですからね」
街灯の下で凍える猫をマフラーで包み、笑顔で優しく抱き上げるアルバフィカ。その姿は天使のようで、やはり誰よりも美しいと、ミーノスはそう思う気持ちを否定することはできないのでした。
(了)
End Nots
お読みくださり、ありがとうございました。
AO3に公開した英訳版はこちらです:📎AO3 “Below the Cat — A Winter Day in Tokyo”
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